今の自分に嫌気がさしたとき、「なりたい自分」が見えてくる。
痩せたい、ポジティブになりたい、仕事ができるようになりたい、臆病な自分を変えたい、…。
しかし多くの場合、なりたい自分になれることはなく、いずれまた同じ悩みを抱えることになる。
そして、思うのだ。
「まるで成長していない…」と。
しかし、それは自分を変えるコツを知らないから。
たった一つの条件さえ準備できれば、自分なんて自由自在。
弁護士にだって、社長にだって、宇宙飛行士にだってなれるだろう。
それでは、自分を変えたい人に必要なたった一つの条件とは何か、を解説しよう。
自分を変えた人が持っていたものとは
自分を変えたいと思いながら、変えられない理由は2つしかない。
変える行動を起こさないことと、それを続けられないこと。
たいていは自分を変える挑戦さえしないし、モチベーションも続かない。
しかし、心を入れ替えて、まるで人間が変わったように変化する事例もある。
例えば、ダイエットに成功した人、遊び人から仕事人間に変わった人、モテなかったのにナンパ野郎に変わった男もいる。
ダイエットに成功した例
結婚式前の女性は、ダイエットに成功するという。
それまでダイエットに失敗を続けていた女性も、見事な変身を遂げる。
女性の結婚式にかける思いは、並々ならぬものがある。
だからこそ、結婚式という人生最大のハイライトに向けて、自分のコンディションをベストの状態に持っていく努力を惜しまない。(お金も。)
まるで、オリンピック選手が大会に向けて心身のコンディションを調整するように、
彼女たちは、結婚式のためならどんな食事制限にも運動にも耐えられる。
それどころか、楽しそうにダイエットを続けるのである。
完全に別人である。
自分を変えた人が持っていたもの
彼女たちの原動力になっているのは、「恐怖心」である。
一生残るであろう結婚式の写真に「醜い自分」を残すことは絶対に許せない。
結婚式の写真が醜い自分だったら、と想像すると、気が狂いそうになる。
この強烈なモチベーションが彼女らをダイエットに駆り立てたのだ。
自分を変えることに成功した人は、必ずその前に「現状に対する恐怖」を感じている。
これが強烈なモチベーションとなって自分を変える努力を続けることができたのである。
しかも、努力を努力と感じていないことでも共通している。
「ただ、必死だった。」
これが彼らの常とう句であり、素直な印象である。
なりたい自分になれるコツ
なぜ恐怖心が人を突き動かすのか、それは動物の宿命ともいえる。
つまり、恐怖心を獲得した人は、必ず変わる。
危険回避の法則
動物は、危険を察知するとそれを回避する性質がある。
しかも、高度な知能を持つ動物ほど、その判断も反射的に早くて正確である。
人間も同じ。
命を守る行動、危険を回避する行動は、我々の判断・行動の大原則・大前提である。
例えば、誰かに刺されそうになった時、遠くで銃声が聞こえた時、このままでは破産しそうな時、このままでは負けそうな時、辛い思いをしそうな時、みじめな思いをしそうな時、など、
我々は、事前にその状況を回避しようとする。
あるいは回避できそうにない時は、この状況を打開しようと試みるわけである。
なりたい自分になれるコツ
この性質を逆に利用すれば、自分を変えることは簡単にできる。
危機的状況を作り上げ、「なりたい自分」を回避先に仕立て上げればいいわけである。
つまり、「なりたい自分」と「今の自分」を比較して、「今の自分」に危険や恐怖を感じればいいわけである。
そうすれば自動的に「なりたい自分」の方向にベクトルが向かう。
それでは、その具体策を次章で述べよう。
なりたい自分になれるコツ(具体策)
「どう変えたいのか」を紙に書く
ボンヤリした気持ちをボンヤリさせたままだと、何も始まらない。
結局モヤモヤしたまま時間の経過とともに忘れてしまう。
逆に、気持ちを言葉に置き換えると、気持ちに輪郭ができていろいろなものが見えてくる。
例えば、今の状況を整理できたり、自分の理想像が明確になる。
だから、自分を変えたいなら、まずは「自分はどうなりたいのか」を紙に書き出すこと。
これで、自分の意志を明確にできる。
自分を変える第一歩である。
なりたい自分を想像する
「自分がどうなりたいか」がわかったら、理想の自分を想像してみよう。
例えば、「痩せたい」なら、痩せた時にしたい事、できる事を妄想しまくるのだ。
細い服が似合うようになるし、モテるし…と、痩せて自信満々になれる自分を想像するのだ。
ポジティブになりたいなら、ポジティブになった自分を想像する。
どんな失敗にも笑顔で乗り越える頼もしい自分、楽しげに振る舞う自分に人が集まってくる…
想像するだけで楽しくなって来ないだろうか。
この妄想による快感がとても大事。自分を変えるモチベーションの維持にとても重要である。
夢を見る力は人間に許された大きな力である。存分に発揮しよう。
なりたくない自分に悲観する
変わらないままの自分でいることのデメリットを徹底的に洗い出そう。
例えば、痩せたいなら、太ったままでいることのデメリットを考えてみよう。
疲れやすく、仕事や友達付き合いがしにくくなり、収入や信用を無くす、内臓への負担が大きく、病気になりやすく、医療費もかかり、寿命が短くなる、
など、想像できる限りのデメリットを挙げてみる。
あるいは、ポジティブになりたいなら、ネガティブでいることのデメリットを考えてみよう。
週末は引きこもり、仕事も消極的で評価も下がる、給料も下がる、モテない、友達をなくす…。
そうすると、怒りにも似た感情が湧いてこないだろうか。
このままでいてたまるか!そんな人生にしてたまるか!
この気持ちが、自分を駆り立てるのである。
成長する自分を応援する
自分を変える努力を続けることは、難しい。
目標が高すぎて、自分が成長していないように感じてしまうのだ。
こういう時は、目標と自分を比べるのではなく、自分の成長に注目しよう。
努力を続ける中で、できるようになったことやうまくいったことはどんなことがあっただろうか。
この小さな実績、小さな自信を積み重ねていこう。
どんなに進歩していないように感じられても、努力している限り前進している。
努力の成果が現れなくてくじけそうになっても、成果は目に見えないだけである。
自分だけは最後まで自分を応援し続けよう。
努力を続けるのも、努力を止めるのも、自分次第である。
最後に 変われない人へ
ダメな自分を変えたい、イヤな自分を何とかしたい。
でも、結局変われないのは、その人の意志が弱かったからなのだろうか。
それは違う。
意志が弱かったのではなく、変える必要性が無かったからである。
努力を続けるにはエネルギーを消耗するし、ストレスもたまる。
そこまでして自分を変える必要がないという判断があったからである。
これを言い換えると、「今の自分でいい」ということになるだろう。
つまり、今の自分に十分価値があることを認めているのだ。
これは自分に対する肯定的な見方ができている証拠であり、決して逃げではない。
だから、変われないと悩む人は、悩む必要はないのだ。
今の自分で十分なのだから。
それに、変わらざるを得ない時は勝手に変わる。
特別に気合を入れて重大な決意と覚悟をもって自分を変えようと取りかからなくても、必要な時は自動的に変わるもの。
だから、それまでは、今の自分のまま自分の人生を存分に楽しめばいいということなのである。