ほとほと自分が嫌になる。
自分の欠点に気付くたびに、自分のダメ具合にうんざりさせられる。
もし、少しでも自分を好きになれたら、こんなみじめな思いをせずに済むのだろうか。
答えはもちろん、イエス。
自分を好きになれたら、たとえ失敗をくりかえしても自分の弱さを気づかされても、そこまで落ち込むことはなくなる。
実は、自分を好きになることなんて誰でも簡単にできる。
ただ、「慣れ」が必要かもしれない。
それでは、誰でも簡単にできる「自分を好きになる方法」を解説しよう。
自分を好きになれない人の特徴
生きていれば、誰だって自分を受け入れられない時はあるものだ。
時には自分のネガティブな部分に向き合わなければならないこともある。
だが、自分が好きな人と自分を好きになれない人は、この時の考え方に明確な違いがある。
自分を好きになれる人の考え方
自分を好きになれる人は、自分を好きになれる材料を持っていることに自覚的である。
つまり、自分のいいところをよく知っている。
だから、仕事や恋愛などで自分のダメな部分が露呈しても、すぐに気持ちを立て直すことができる。
例えば、何かに失敗しても次のような考え方をする。
- それでも自分にはいいところがある。
- 私は十分に頑張った。
- 次はきっとうまくいく。
こうして自分を傷つけすぎないように考え直す習慣が身に付いている。
自分を好きになれない人の考え方
逆に、自分を好きになれない人は、自分のネガティブな部分をそのまま受け止めてしまう傾向がある。
- やっぱり俺はダメなんだ。
- 努力が足りない。
- 次もきっとダメだろう。
こうして失敗や指摘を受けるたびに自分のダメ具合を「やっぱりね」と再確認し、「自分はダメだ」という確信を強めている。
自分を好きになれない人の特徴
自分を好きになれない人は、普段から自分に対して否定的な見方をしている。
- 自分には価値がないと思い込んでいる。
- どんなにうまくいったことも、必ず欠点を見つけ出し、成果を否定する。
- やってみようと思っても、「できるはずない」と決めつける。
とにかく、考えることの前提が「自分=ダメ人間」になっている。
だから、導き出される結論もすべて、「自分=ダメ人間」にならざるを得ない。
これでは、自分を好きになることは難しい。
「自分=ダメ人間」という固定観念を破壊しない限り、どんな対策も失敗に終わるだろう。
なぜ「自分=ダメ人間」だと考えるようになったのか
自分を好きになれない人は、自分を否定する癖がついてしまっている。
だが、もちろん生まれた時からそんな変な癖がついていたわけではない。
ある時点から身に付いてしまったのだ。
厳しすぎる親と従順すぎる子供
自力で生きていけないほど小さな子供は、自分の命を維持するためには親にすがるしかない。
だから、子供は生きるために親の言うことを必死に受け入れる。
しかし、この時の子供に対する親の態度が適切でない場合がある。
例えば、
- (悪い結果でなくても)何かにつけ欠点を指導される。
- どんな努力をしても結果論で怒られる。
- お前には無理。と可能性を否定される。
こうした価値観を毎日のように刷り込まれれば、自分の価値を低く見積もるようになる。
つまり、「自分=ダメ人間」という認識が作られる。
アンバランスな教育とその被害者
良い教育者、良い親は、褒めるところはしっかり褒める。
厳しく指導した後は、必ずどこかでフォローする。
つまり、否定だけの一方的な指導で終わらせないバランス感覚がある。
しかし、そうしたフォローがないと、子供は自分に価値を見いだせないままである。
そして、自分に価値があることを知らないまま大人になる。
- 何もできる気がしない。
- 何を言ってもわかってもらえる気がしない。
こうした言葉が頭に浮かぶのは、そう教えられたことを忠実に守り続けているから。
だから、何も挑戦しない、何も主張しない。という生き方をすることになる。
自分を好きになる方法とは
問題は、発想の原点に「自分=ダメ人間」という図式があることだ。
ここを見直せば、おのずとすべてがうまく回り出す。
どんどん自分を好きになり、積極的で活動的な充実した人生がやってくる。
今こそ洗脳を解こう。
「自分=ダメ人間」という小さいころから慣れ親しんだ古い価値観を破壊し、
「自分=価値がある」という新しい価値観を打ち立てて、新しい人生に作り替えよう。
自分を好きになる方法
自分を好きになる方法は、意外に簡単だ。大げさな準備や覚悟が必要なわけではない。
普段忘れがちな「自分を好きになれる材料」をかき集めるのだ。
過去を振り返る
自分の過去を振り返り、他人に評価されたことや楽しかったことを思い出してみよう。
例えば、他人に褒められたこと、テストでいい点を取れたこと。
部活や趣味に打ち込んだこと。友達と死ぬほど笑ったこと、旅行先で感動したこと。
嬉しかったこと、たのしかったことは、大事な思い出だ。
ときどき思い出して、「自分の人生も捨てたもんじゃないな」という気持ちを取り戻そう。
きっとその瞬間、自分のことを好きになっているに違いない。
現在を振り返る
自分がいま生きている環境の恵まれている点に注目しよう。
例えば、友達がいること、会社で今のポジションを確立したこと。
どちらも、自分という存在が評価され、信用されているからこその「今」である。
自分がどんなに自分をみとめることができなくても、周囲がしっかり認めてくれている。
どんなに自分が嫌いでも、好きで付き合ってくれる友人、信頼・期待している同僚がいることを忘れてはならない。
周囲に聴く
自分のいいところを、誰かに聞いてみるのも非常に有効である。
他人から褒められることは、ダイレクトに心に響く。
つい、いつもの癖で謙虚に「そんなことない」と、否定してしまいそうになるが、我慢してその評価を素直に受け取ろう。
ぜひ、信用できる仲のいい友達に自分のいいところはどんなところか、聞いてみよう。
きっと優しく教えてくれるし、意外な点で褒められるかもしれない。
性格診断する
自分の性格診断をしてみるのも面白い。(例えば、エニアグラムとか)
書店で性格の本を探してもいいし、ネット上の無料性格診断をするのでも構わない。
どんな本でもどんなサイトでも構わないし、いくつ受けても構わない。
そして性格診断の結果には、必ず長所と短所が書かれているはずだ。
この長所の部分に注目しよう。
それが客観的に冷静に判断された、あなたのいいところなのである。
自分を好きになる方法 まとめ
それでは、最後の仕上げだ。
今度は、上記の方法でピックアップした「自分のいいところ」を忘れないように、紙に書き出して、目のつくところに貼り付けよう。
洗面台の鏡でもいいし、パソコンのディスプレイに貼るでもいいし、玄関のドアに張るでもいい。
普段の生活の中でとにかく目に付くところに貼り、強制的に思い出させる環境を作る。
こうすれば、否応なしに自分のいいところを意識する生活になる。
自分のイイところを意識する生活になれば、今まで無下に自分を否定していた癖が矯正さされていく。
「ちょっとまて、そんなに俺はダメなのか?」「いつもの癖で自分を否定していないか?」
と、自分の思考を踏みとどまるようになる。
いつもの習慣が変わり始める、いつもの癖が発動しなくなる。
これはもう、自分を好きになり始めているということなのだ。
気休めにしかならない?
自分を好きになる方法をご紹介したが、
「こんなもの、気休めにしかなんねーよ!」と怒り出す人がいるかもしれない。
「自分にはイイところなんてないんです!ウワーン」と泣き出す人がいるかもしれない。
この二人に共通するのは、自分のイイところを探すことへの拒否反応である。
小さいころから慣れ親しんだ「自分=ダメ人間」という価値観とは別の価値観が入ってくることを拒絶しているのだ。
ここが運命の分かれ道。
- 新しい価値感を受け入れて新しい自分として生きるのか、
- 古い価値観を守って今までの自分のままで生きるのか。
この選択に迫られている。
さて、どちらを選ぶのか。
それは、未来の自分だけが知っている。
まとめ
自分を好きになれない人は、自分を好きになれる材料を持っていることを忘れているだけだ。
ただ、真面目すぎたり、向上心がありすぎて、自分の良さに注目することをしていないだけ。
そこに注目することさえできれば、自分を好きになることなんて時間の問題。
どんな人間にも、良いところも悪いところもある。
それなのに、悪いところしか見えていないなら、それは偏った見方をしているのである。
これを偏見という。
自分を好きになれない人は、偏見の目で自分を見ているのだ。
もっと自分のイイところに目を向けよう。
その当たり前のことに違和感を感じる必要はないし、罪悪感を感じる必要もない。
その違和感、拒絶反応、罪悪感が間違っているのである。
決して、あなたの見方、考え方が間違っているのではない。
自分の人生を生きるには、良いところも悪いところも両方受け取る責任がある。
好きな方だけ選んで生きるのは、それは無責任というものだ。
だから、自分の至らなさ、ダメな部分に悩んだら、同じくらいいい部分を褒めなければならない。
それが自分という存在のオーナーとしての責任ある態度というものである。