職場で孤立してしまうとなかなか辛いものだ。声はかけにくいし、溶け込みにくい。なんだか自分を見る目も怖い。
そうしている間にも周囲のみんなとの間にできてしまった壁は、どんどん高くなる。そして孤立を深める。
しかし、どんなに高く感じる人との壁も、溶かすことはできるもの。人間関係のズレは大抵お互いの誤解が原因。それさえ解消できれば一発で解決する。
それでは、その方法について解説しよう。
職場で孤立してしまったら
職場で孤立してしまった時の対処法だが、時間が必要。しかし確実に効果があるので、丁寧に孤立状態を消化していこう。
ステップ① 挨拶する
挨拶はコミュニケーションの基本中の基本。いわば先制攻撃のようなもの。
相手からの返事はなくてもいい。おはよう、お疲れ様です。言いっぱなしでOK。
相手に自分の声、思いが届いた。その事実だけで十分。
特に男性間において、あいさつは無視されがちである。否が応でも顔を合わせる関係、しかも特に仲がいいわけでもなく、仕事以外では絶対に会いたくはない。いちいち挨拶なんてする必要性がないと考えがちだ。
それに何か一種の恥ずかしさもある。友達ならまだしも、緊張感のある関係で気軽なコミュニケーションには心理的にハードルがある。
しかし、そこが落とし穴。声をかける、出来れば相手を見ながら言う。まずは基本中の基本、ここは抑えておこう。
ステップ② 雑談する
仕事仲間を仕事だけの関係だと割り切っていると、円滑なコミュニケーションが作れない。
仕事モード、集中モードでない、例えば会議への移動中とか、朝来た時や変える時に、最近見聞きした驚いたことを話題に振ってみる。
日曜、あの店で見かけましたよ。○○好きなんですか?
この間の○○、大失敗でした。苦手なんですよねー
今度、○○に行くことになりました。○○さんは行ったことあります?
お互いに言葉を交わす間になることで、お互いの間にある壁が低くなっていく。
仕事仲間にはもちろん緊張感が大切だ。しかし緊張しすぎる間柄、ましてや攻撃的な間柄では結束できない。
会社とはみんなで結束して、1つの目標をもって活動する場である。敵ではなく、戦友。
緊張感のある関係のままでは疲れてしまう、時にはお互いに労をねぎらいあう関係が理想だ。
ステップ③ 助け合う
会社は一つの目標に向かってみんなでその達成に向けて頑張る人の集まりである。
お互いにカバーしあい、プロジェクトを実現していく。こちらから相談したり、あるいはアドバイスする。ときには手伝う。こうしてお互いの信頼関係を作っていく。
会社は仕事をこなすだけの場ではない。仕事を通じて人間的に成長する修行の場でもある。そして修行の一環として、周りの人と強調するという試練もある。
「仕事さえしてればいい」「さっさと終わらせて早く家に帰りたい」
そんな思いでいると、仕事そのものとの距離が開いていく。
それは独りよがりの自分に都合のよい自己中心的な考え方。周囲はそう思っていない、あるいはそう思っていなかったはずだ。
職場で孤立する原因
何事にも結果には原因がある。もちろん、職場で孤立してしまったという事実の前には、そこに至った原因がある。
職場で孤立してしまった原因は、職場で孤立しようと考えて行動したことにある。「ひとりでやろう」と閉じこもってしまうから、孤立する。
こうした思いは口に出さなくても、態度に表れている。つまり壁を周囲に作っている。いわゆる話しかけんなオーラ。イライラや不満をため込みすぎて顔に出ていないだろうか。
目を合わせなかったり、助けてあげられるのに無視したり、内心バカにしたり。これではコミュニケーションを取りたくても、取りにくい。これでは同僚たちも困ってしまう。
孤立してしまう前に孤立しようとしているような態度をとっていなかっただろうか。例えば、
- 助けてあげることができる場面で無視しなかっただろうか。
- 悪いことしたな、と思ったらそのあとでフォローを入れることができただろうか。
- 周囲からのアドバイスをはねのけたことはないだろうか。
必要が無くても助けてもらうのが円滑なコミュニケーションというものだ。しかし、職場で孤立する人は、必要以上に周囲との接点を断とうとする。
こうした心理的な距離感が常態化すれば、当然の結果として孤立していく。いきなり孤立することはない。
同僚もあなたを見ている。あなたの態度を見は狩らないながらお互いの距離感を作っていく。同僚たちはあなたの態度に合わせただけに過ぎない。
職場で孤立したら、二つの視点を持つこと
自分がこう思っているから、という理由だけで行動しているひとはいかにも視野が狭い。それを見ている相手側がいて、相手の気持ちも考えてみよう。
孤立してしまって、空気が悪い、居心地が悪い。
一生懸命仕事している私に非協力的な周りが悪いんだ。
なんて職場だ。なんてひどい人たちだ。
という視点だけでは、責任は全て相手にあるように感じられる。
しかし、現実には人間関係は、両者の思いで作り上げるもの。必ず相手の感じ方、意志が反映されて今の関係を築き上げている。
つまり、孤立しても仕方のない、孤立しても当然な原因を相手側に求めてばかりいるのではなく、自分側にも原因を求める視野の広さが問題の解決に求められる。そうした視点に立ち、自分側にも原因が考えられるなら、そこを治していけばいいだけ。
孤立していったなら、孤立を改善することもできるはずだ。なぜなら相手は人間だからだ。
まとめ
相手が人間の問題は、難しく見えてたいてい簡単に解決する。どんどん声をかけていく。そうすると不思議なことにどんどん相手が変化していくのだ。
黒の絵の具に白の絵の具を足しても変化しないが、それを続ければどんどん明るい色に変化していく。だから、必要以上に心を痛める必要はない。
これは職場の人間関係に関する問題に限らず、誰にでも当てはめることができる。
相手は自分を映す鏡とよく言われるが、まさにその通り。振り返ってみて、「ああ、相手に距離を感じさせても仕方ないな」という態度があったと思ったら、謝るとか、カバーしようと次から丁寧に接するとか、大人の対応ができるはずだ。
人間関係の問題には、必ず相手がいて、どちらかが悪いということはない。両者の間に問題があるだけで、相手にも事情があり、もちろん自分にも事情がある。
それをいつも相手が悪い、と断罪していては、何も解決しない。ひどい場合はそのまま関係が壊れたままになる。
- 必ず相手が存在すること
- 相手にも事情があること
- その事情は自分が作った可能性があること
これをいつも心に置いておこう。
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