私たちの人格形成に最も大きい影響を与えるのは、母親である。
なぜなら、出生直後に最も多くの時間を母親と過ごすからだ。
子供は、知識も経験も自立心もない状態から、脳の発達とともに多くを吸収し始める。
この成長の過程で、知識や経験を授ける存在こそ母親であり、子供の努力を評価するのも母親である。
つまり、子供は、母親の持つ価値観をそっくりそのまま受け取ることになる。
子供が母親に似るのは当然である。
自分に自信がない母親が、自分に自信がない子を作る。
人間にはそれぞれ人格があるが、それを作るのは親である。
人格はその人の人生そのものであり、それを作る親の責任は重大だ。
子供は知識や経験がゼロの状態で生まれてくる。
そこに、知識や経験を吹き込むのは親の役割が大きい。
特に、母親は授乳可能な体質の関係上、子供との距離感が近いため、子供は母親によくなつく。
その結果、子供は母親からの影響を強く受ける。
親から伝えられるものは、知識や常識だけではない。
親の態度や表情などからも、ものの見方、考え方、感じ方を学ぶ。
つまり、親の持つ個性的なものの見方、考え方が子に伝達される。
それがネガティブ志向の場合、子も当然、ネガティブ志向になる。
ネガティブ志向は、対象が何であれ、必ず欠点や弱点を見つけ出す。
そして、不安と緊張を呼び、勇気を失わせ、行動力を奪う。
ネガティブ志向が自分に向けられれば、自分の欠点や弱点が浮かび上がる。
そして、まるで自分が魅力のない人間であるかのように誤解してしまう。
自分に自信がないのは、そのためだ。
自分に自信がないのは、生まれつきそうだったわけではない。
成長の過程で、自信を失わせるものの見方、考え方を母親から学んだからなのである。
自分に自信を持つには
自分の魅力に気づくことができれば、自分に自信を持てるようになる。
そこで、今までとは違った角度で自分自身を振り返ってみよう。
自分の魅力を知る
自分に自信を持つためには、自信を持てる材料を見つけなければならない。
そこで、自分の長所や、恵まれている点を再確認しよう。
例えば、
- 過去に褒められたこと、評価されたこと(例:学業や仕事の成績、性格など)
- 外見上、優れていること(例:顔、身長、体形、センスなど)
- 自分が持っているもの(例:学歴、友達、お金、家族など)
- 自分が身につけているもの(例:服、スキル、知識など)
自分に自信がないと、こうした自分の魅力に無自覚だ。
しかし、これらも自分の一部。
これらの魅力を認める勇気が、新しい自分に変えるのである。
自分の可能性を知る
自分の長所に気づいたら、それを生かしてどんなことができるのか、想像してみよう。
例えば、
- 得意なことに活かして誰かを助けることができる
- 自分が持っているものを誰かと共有することができる
- 自分が身につけているもので注目を集めることができる
これらは単独でも立派だが、組み合わせることでさらに可能性は広がる。
自分に自信がない人は、自分に秘められた無限の可能性を知るべきだ。
そして、そんな自分に誇りを持とう。
まとめ
性格の基礎は、着眼点である。
対象となる人や物のどこに注目するかで、そのあとの思考と行動が決まる。
私たちは、何のどこに注目するべきかを母親から学んだ。
しかし、それは間違っていた。
自分に自信を持ちたいなら、ポジティブな視点を身につけよう。
ネガティブな要素に注目して、自信を持ったり、希望を感じたりすることはできない。
子は親に似る。
しかし、親の間違いを子が引き継ぐ義務などないのである。