今の自分が理想的だと言える人はほぼいない。
誰だって今の自分に不満を持ち、自分を変えたいと思っているものだ。
しかし、現実には自分を変えることができず、自分を変えたいという悩みは明日も明後日も続くだろう。
だが、自分を変える方法は驚くほど簡単だ。
何か特別な訓練を受ける必要はないし、最新の科学技術も必要ない。
それでは、自分を変える方法を解説しよう。
少しずつ自分を変える方法① いつもと逆の考え方をする
自分を変えるには行動を変える必要があり、行動を変えるには考え方を変える必要がある。
それも少し変えるのではなく、まったく逆の考え方をしよう。
そして、いつもと逆の決断をして、いつもと違う行動に移そうというのが狙いである。
例えば、「出来ないかもしれない。」「ダメに違いない。」という考え方が癖になってしまった人は、逆に、「できるかもしれない。」「うまくいくに違いない。」と考えるようにしよう。
つい、いつもの癖で反射的にいつもと同じ考え方をしてしまいそうになるが、「ちょっと待てよ、これではいつもの自分と同じじゃないか。」と踏みとどまり、「いつもの自分と違う考え方をしてみよう」と頭を切り替えよう。
いつもと違う考え方をすると、いつもと違う結論を出すことになる。
いつも「出来ないかもしれない」と考えていたものが、「出来る」可能性を探ることになる。
この時すでに自分が変わり始めている。
いつもと違う部分に注目することによって、いつも見落としていた可能性を見出すことになる。
すると希望が湧いてくる。
その結果、「できるかもしれない」という風に考え方の方針が変わり、「出来る」ために必要な材料を探り始める。
そしてついに、「やってみよう」といつもとは違う結論を出す。
「やってみよう」と思えれば、行動を起こすことは簡単になる。
これまでの「出来ないかもしれない」と思っていた時とは比べ物にならないほど、行動を起こすことが楽になる。
これが積極性の正体である。
以上のように、いつもと違う考え方をすれば、いつもと違う行動を起こすことができるようになる。
そして、行動が変わったとき、あなたはもうすでに変わっているのである。
自分を変える方法② 理想の人を観察する
人間にはそれぞれに特有の個性がある。
本来はどの個性にも優劣はなく、それぞれが懸命に頑張って生きてきた結果身に付けたものだ。
どれも否定されるべきではない。
しかし、そんな自分を変えたいのなら、やはり今までの自分の考え方を変えなければならない。
何かを得る時は何かを捨てる時だ。
つまり、今までの自分の考え方を捨てて、新しい考え方を取り入れなければならない。
この時参考になるのは、身近にいる自分の理想、手本とする人だ。
そしてよく観察しよう。
身近にいるテキパキ仕事をこなしていく人やプライベートが充実している人の話し方や言葉の選び方、歩き方や姿勢をよく観察してみよう。
そして、それを可能にしている考え方はどんなものかを考えてみよう。
その人を動かしているベースとなる考え方は、おそらく自分とは異なるものの見方、感じ方の上に成り立っている。
この自分とは異なるものの見方、感じ方を徹底的にマネるのだ。
なかなか自分を変えるために自分の変えるべきものの見方、感じ方を振り返っても気づけない点が多い。
それが自分にとっての普通、常識になってしまっているから。
しかし、他人と比べることによって、自分との違いが浮き彫りになる。
その違いこそ、自分とその人を分け隔てる絶対的な壁であると同時に取り入れるべきもの、というわけである。
一気に自分を変える方法③ 待つ
上記の自分を変える方法は言わば、正攻法で少しずつ確実に自分を変えることができる方法である。
しかし、一気にまるっきり別人になる方法がある。
「待つ」のである。
自分が変われないのは、変わる必要がないからだ。
どんなに自分を変えたい、という思いが本物で真剣で深い悩みだったとしても、変わることができないのは変わる必要がないことを知っているからだ。
ところが、自分を変える必要が出てきたとき、状況は一変する。
これまでどうしてもできなかったことができるようになったり、思いがけない積極性を見せるようになる。
わかりやすいのは夏休みの子供たちだ。
子供たちは夏休みの間、親の忠告を無視してひたすら遊ぶ。宿題なんてそっちのけ。
しかし、こうした子供たちは例外なく夏休み終了2,3日前になって別人になる。
それまでとは打って変わって勤勉になる。
結婚式を控えた女性も素晴らしい変化を遂げる。
それまで何度もダイエットに失敗していた女性が、結婚式の日までに見事な減量に成功する。
長くてつらいはずのダイエットを何の苦も無く、しかも楽しそうにやり遂げる。
つまり、一気に自分を変える方法とは、自分を変える必要のある状況になるまで待つのである。
一気に自分を変える方法④ 追い込む
一気に自分を変える方法として「待つ」という方法を提案したが、これを応用して積極的に自分を変える方法がある。
「追い込む」のである。
つまり、自分が変わらざるを得ない状況を待つのではなく、積極的に作り出すのである。
よく自己啓発の世界では、自分の夢や目標を周囲に宣言すると良いと言われる。
これはただ、周囲に宣言すれば誰かが応援してくれるわけではなく、周囲に宣言することによって夢や目標を叶えなければ居心地が悪くなる環境をつくり、夢や目標の実現のための努力をせざるを得ない状況に追い込む、という意味である。
他にも応用は可能だ。
例えば会社では、厄介な仕事も次の定例会議で状況報告します。と宣言してしまえば取りかからざるを得なくなる。
この負のモチベーションを逆に利用するとか、
週末に友人を部屋に呼ぶ約束をしてしまえば、どんなに面倒に感じていた部屋の掃除も一気にはかどるだろう。
なぜ一気に自分を変えることができたのか
人間は、安心安全安定な状況を好む。
現状が安心安全なら、そこにとどまろうとする。
しかし、現状よりも外部に安心安全な環境を見出すことが出来たとき、いとも簡単にそちらに移動しようとする。
夏休み終了直前で子供たちが勤勉になるのは、宿題が大量に残ったことを学校の先生に怒られることが予想できたため、この現状を打開しようと試みているのである。
結婚式直前の女性が美しくなるのは、一生残るであろう結婚式の写真が不満なものであったら一生後悔することが予想されるから、それを避けようとする。
つまり、現状の延長線上にある大きな危機感を避けようとした時、まるで別人のように人間が変わるのである。
まとめ
自分を変えるということは、別人になるということ。
つまり、今までの自分とはまるで違う別人のような考え方を身に付けなければならない。
なぜなら、今までと同じ考え、同じ行動では、何も変わらないから。
例えるなら、敵国に潜入するスパイのようにふるまわなければならない。
全く別人として生きていく覚悟が要る。
しかし、別人に成り切っているうちに、だんだん別人としての生き方が馴染んでくる。
別人の考え方、感じ方、行動の仕方に抵抗がなくなってくる。
このプロセスこそ、自分が変わっていくプロセスである。
その変化はとてもゆっくりでなかなか気づかない。
だが、ふと過去を振り、「昔の自分とは変わったなあ」と思えた時、自分を変えることが成功したと言えるだろう。
人はそれを「成長」と呼ぶ。