「自分に自信がない…」と悩む人は多いが、これを克服できた人は少ない。
なぜなら、多くの人が「自信」を「個人の性格」によるものと考えているため、克服を諦めてしまうからだ。
「自信」は、身長や年収のように数字で表せるものではない。
それは目に見えない概念を言葉に置き換えたものに過ぎず、イメージがつかみにくい。
その結果、自信については、結果論や印象論で語られることが多く、全く要領を得ない。
しかし、自信にもメカニズムがある。
自分に自信がないのは、その人に自信を持てなくさせる原因が生んだ結果なのである。
そこを理解し、適切に対応すれば、誰でも必ず自分に自信が持てるようになる。
それでは、自分に自信が持てない人のための自信の作り方について、解説しよう。
「自分に自信がない」と感じさせる3つの原因
自分に自信がないと悩む人は、それぞれの事情を抱えている。
コンプレックスであったり、過去の失敗に引きずられていたりする。
しかし、自分に自信がない原因は、そこではない。
実際に、コンプレックスをばねにしたり、過去の失敗にめげずに頑張れる人もいる。
自分に自信がないと悩む人と悩まない人には、考え方に違いがある。
自分に自信がない人は、自信を持てなくなる原因となる思考パターンを持っている。
■自信を持てなくなる3つの思考パターン
- 自己否定
- 成果の否定
- 拡大解釈
それでは、この3つの原因と克服方法について解説しよう。
自分に自信がない原因① 自己否定
自分に自信がない人は、自己否定をベースとした考え方をしている。
例えば、
やったことないから、できる気がしない。
太っているから、背が低いから、モテない。
他社でやっていけそうにないから、転職に踏み出せない
本当はできるかもしれないのに、モテるかもしれないのに、他社でも活躍できるかもしれないのに、そのような可能性を信じることができず、消極的なままでいる。
さらに、消極的でいることでいろいろなチャレンジする機会を見過ごし、自分をプラスに見直す機会がない。
こうして自分に自信がない人は、時間の経過とともに自信を無くしていく。
それもこれも、すべて自己否定から始まる考え方が間違っている。
「自分に自信がない」を克服する方法① 自分の可能性に注目する
自己否定を前提とする考え方を止めて、これからは自分の可能性から考えるようにしよう。
何かに挑戦しようとするとき、何かの課題を与えられたときは、自分の可能性から考えること。
注目するべきは、自分のネガティブな部分ではなく、ポジティブな部分だ。
「○○だからできない。」「○○だからできそうにない。」と、挑戦から逃げようとするのではなく、
「△△だからできるかもしれない。」「△△だからできるに違いない。」という考え方に変えるのだ。
「自分にも出来そうだ。」「自分にもやれそうだ。」と気付くと、人は気持ちが晴れ、気分が軽くなり、自然と積極的になる。
しかし、自己否定をしていては、このような考え方ができない。
もっと自分の可能性を信じよう。
自分に自信がない原因② 成果の否定
自分に自信がない人は、自分のせっかくの努力の成果もあっさりと否定してしまう。
例えば、
テストで高得点をとっても、「まだまだ勉強が足りない」
仕事の成果を褒められても、「まだできることはあった。」
「良くできるね!すごいね!」と言われても、「あれくらい誰でもできますよ。」
このように自分の努力の成果に対して粗探しして完璧でなかった部分を嘆いたり、必死に評価を下げようとする。
自分のどんな努力もかたくなに認めようとしないのだ。
こうしたものの見方や考え方は、非常に偏っていて正確な認識とは言えない。
謙虚さは、向上心を持ったり、自分の自惚れを自制したり、周囲との円滑なコミュニケーションに役に立つ。
しかし、謙虚さを通り越して自分の努力を全否定するのは明らかに偏った考え方であり、せっかくほめてくれた人を遠ざけてしまうため、周囲との距離も作ってしまう。
そして本人は自覚できていないが、自分の努力を否定するたびに自分を否定している形(自分に自信がない原因①自己否定)になり、自分に自信を持てない。
「自分に自信がない」を克服する方法② 正しく評価する
過剰な謙虚が癖になってしまっている人は、正確に状況認識をすることに努めよう。
テストで成績が良かったり、とりあえずの合格ラインを越えたら、それで十分。
褒められたことは素直に喜んでいいのである。
相手の真意など探らない事。
社会生活上謙虚さは必要だが、過度の謙虚さは逆に不健全である。
自分に自信がない原因③ 拡大解釈
拡大解釈とは、一部の問題を全体の問題のように大きく取り上げてしまうことである。
自分に自信がない人は、1つのネガティブな要因をいつの間にか全体の問題にしてしまう。
例えば、
仕事でミスした。そういえば、あの時も、あの時も…いつも失敗ばかり。・・・この仕事に向いてないのかな。
自分のここが嫌い。他にもあれも、これも…嫌いなことばっかり。・・・生きてる意味あんのかな。
このように一つの不安材料が、どんどん膨れ上がり、あっという間に頭の中は「ダメな自分」でいっぱいになる。
つまり、自信がない、という一面的に過ぎない現実を、さも自分すべてに対してそうであるかのように解釈してしまっているのである。
こうした解釈は正確ではなく、現実を捻じ曲げた考え方ということで問題がある。
正しい考え方は正しい認識からしか生まれない。
このような偏った認識では、本来あるべき考え方をすることができない。
自分に自信がない原因「拡大解釈」の克服方法 勘違いの可能性を考える
不安で頭がいっぱいの時は、
大きく受け止めすぎているかもしれない
と、自分を疑ってみよう。
どんなに事態が深刻でも、どんなにコンプレックスをたくさん抱えていても、24時間365日寝ても覚めても頭の中が不安でいっぱいの人はいない。
そう思えるのは、不安におびえる頭がそう感じさせているだけで、脳に騙されているのだ。
だから、どんなに不安を感じても、大きな大きな全体の一部だけの問題に過ぎない、と考えなおそう。
こうしてネガティブな点から、ポジティブな点に意識を変えるだけで、不思議とポジティブな面が見えてきて、
大したことなじゃん
と気が楽になるものである。
すべてに対して自信がない人はいない。自分が自信のあることを探してみよう。
何に打ち込んできたのか、褒められたことを振り返り、自分を誇れるものを思い出してみよう。
このとき、メモの書き出してみることをお勧めする。
不安なことを書き出しただけでパニック状態の頭が整理されるし、落ち着きを取り戻したことで狭かった視野が広くなる。
悩みをメモに書き出しているうちにいつの間にか元気になった、という話はよく聞く。
自信とは何か
自信とは、普段何気なく使っている常識的な言葉だが、驚くほど曖昧である。
どうしてあの人はあんなに「自信」があるんだろう。
「自信」がないからできる気がしない。
これらの心情はもっともらしく感じられるが、自分が主観的に感じる勝手な思い込みを自信と言う言葉に置き換えて表現しているだけに過ぎない。
自信が我々を制御しているのではなく、我々が勝手に解釈しているのである。
だから、頭に自信がないという言葉が浮かんで、時には落ち込むことがあっても、無駄に心を痛める必要は全くない。
深刻に思える事態も、実は驚くほど単純だ。
そして、そこから導き出されるやるべきことを見出すことも単純だ。
たいてい自信がなくて気持つが沈んでいる人というのは、相場が決まっている。
目の前の課題にビビっている時か、やっちまったミスにショックを受けている時だ。
そして、その後にやるべきことも変わらない。
目の前の課題に勇気をもって踏み出す。あるいはショックが和らぐまで待つ。
自信が我々を制御しているわけではないということを知っておこう。
要は印象の問題であるから、積極的に印象を変えていけばいい。
そうすれば自信がない、という問題は解決できるのである。
「自分に自信がない」を克服する対処法 まとめ
自分に自信がないと悩んでいるのは、実は今のうちだけである。
一歩を踏み出した次の瞬間、すでに過去の自分を乗り越えている。
そして、今の自分がここにいるのは、これまでに様々な困難を克服してきた積み重ねによって勝ち得た信用があるからだ。
いつだって誰だって人間は成長の途中段階だ。
自信をつけた後も、きっと未知の挑戦には不安を感じ、自信がないと悩むだろう。
しかし、その時の自分は明らかに自信がなかったころの自分よりは自信を持っているのだ。
だから自分に自信がないことを恐れることはない。