人は誰でも、自分の弱さを思い知らされた時、自分のダメなところを思い知らされた時、
「もう2度とこんなつらい思いをしたくない」という思いに駆られ、「自分を変えたい」と願う。
自分を変えることはもちろん可能だ。
今までそうしてきたように、この後も未来に向けて成長していくのだ。
ただ、自分を変えたい時にやるべきことを理解していれば、よりスムーズに「なりたい自分」になることができるだろう。
それでは、自分を変えたい時にやるべきこととはどんなことか、を解説しよう。
自分を変えたい時って、どんな時?
自分を変えたい時というのは、同時に2つの気持ちが存在する。
1つは自分の欠点に対する辛い気持ち、もう1つは未来志向の向上心である。
例えば、
- 辛いことから逃げてしまった時
- 臆病な自分に嫌気がさした時
- 自分のスキルやスペックの低さを思い出した時
このように、自分の欠点を目の当たりにした時、人は自分を変えたいと思う。
また同時に
- もうこんな惨めな思いをしたくない
- もうこんなつらい思いをしたくない
という思いが自分を変えたい気持ちを加速させる。
この時こそ、自分を変えるベストタイミング。
この機を逃さず、気持ちが冷めないうちに、なりたい自分になる行動を起こすべきだ。
自分を変えたい時にやること3ステップ
なりたい自分像を具体的にイメージする
まずは、なりたい自分を具体的に想像しよう。それが自分の目標になる。
例えば、
- 辛いことから逃げない自分
- ピンチや指導に動じない自分
- 高いスキル、高いスペックの自分
あまり深く考えなくても、自分を変えたいと思った時に直観で浮かんだ理想像を思い出そう。
この時、できるだけ具体的であることが望ましい。
目標はボンヤリしていると達成しにくいからである。
なりたい自分像を紙に書き出す
次に、それを紙に書き出す。
この時、「○○になりたい」ではなく、「○○になる!」という断言形が良い。
「この星の一等賞になりたいの、俺は!!(ピンポン)」ではなく、「海賊王に!!!俺はなる!!!(ONE PIECE)」といった要領である。
例えば、
- 辛いことから逃げない自分になる
- 欠点を指摘されてもビビらない自分になる
- 痩せる
という自分の理想像を堂々と、用意した紙の真ん中にデカデカと書くのだ。
理想像を断定形で書くことには理由がある。
「○○になりたい」という気持ちのままでは、理想像は願望のままで、実現に向けた責任感を得られない。
だから、甘えが生じて夢を夢のまま終わらせてしまうことになる。
ところが、「○○になる」と自分の気持ちを断定形で表すと、理想像と自分との距離がグッと近くなり、実現に向けた責任感と覚悟が生まれる。
責任感と覚悟が無ければ何も実現しないのは、ご承知の通りだ。
自分の理想を断定形で紙に書くこと。
これができるかどうかで、自分の未来が決まると言っていい。
なりたい自分を演じる
自分の理想像を明確にイメージできたら、その人になりきろう。
常に「理想の自分なら、この時どう考え、どう行動するか」を念頭に置いて生活しよう。
つまり、なりたい自分を演じ続けるのだ。
この過程で自分を助けてくれるのが、紙に書き出した時に感じた「理想を実現する責任感」である。
この責任感が、自分を理想に引っ張ってくれる。
例えば、「辛いことから逃げない自分になる」と決めた人は、
辛いことから逃げそうになった時、責任感が顔を出して逃げそうになる自分を引き留めてくれる。
こうなると、むしろ、逃げる方が難しい。
こうしてなりたい自分に近づく努力を続ければ、必ずなりたい自分になる。
どんどん自分のなりたい理想像を具体的にイメージして、思いを込めて紙に書き、なりたい自分を演じ続けよう。
自分を変えたいのに変えることができない理由
自分を変えたいと思っていたはずなのに、結局何の行動も起こさない人がいる。
あるいは、自分を変える努力を続けることができない人がいる。
または、いつの間にか自分を変えたい気持ちを忘れてしまう人さえいる。
自分を変えたいはずなのに結局何もしなかったり、努力を止めてしまうのには理由がある。
意志が弱いわけではない。
その理由は、(本人にはその自覚がないかもしれないが)自分に自信があるからである。
つまり、自分に価値があることを知っているから、自分を変える必要がないと判断したのだ。
「今のままで十分」という思いが、変えようとする自分を踏みとどまらせたのである。
だから、自分を変えたいと思ったのに結局何もしない、あるいはそんな気持ちをいつの間にか忘れてしまう人が、そんな自分に落ち込んでいるとしたら、まったく気にする必要はない。
もっと自分の価値に自覚的であるべきである。
自分を変えたい時にこそ思い出して欲しいこと
自分のダメな部分と直面し、落ち込むと、自分を変えたいと思うものである。
だが、その気持ちは一時的なものかもしれない。
その立ち直りを早める方法がある。
自分の存在価値を確かめるのだ。
そこで、自分を変えたい時こそ、未来ではなく過去を振り返ろう。
そして、自分の価値が認められてうれしかったことを思い出してみよう。
できれば、紙とペンを用意して書きながら思い出すとさらに効果的である。
例えば、
- 業績や成績が認められて表彰されたこと、あるいは昇格できたこと
- 仕事ぶりを褒められたこと
- 信頼してくれる人(親友、友達など)がいること
こうして自分の価値を確かめることができれば、自分に自信を取り戻し、自分を変えたいと思うほどの落ち込みを軽減できる。
きっと明日には立ち直っている。
誰にでも不得意なものや苦手なものはある。
生きていれば様々な場面で、それらが露呈することもあるだろう。
しかし、それは誰にでもあることで、社会生活上避けられない事態である。
だから、いちいち自分の間違いや失敗を見つけるたびに落ち込むのは無駄だ。
むしろ、そのたびに自分の価値を肯定して、自己嫌悪に立ち向かい、落ち込むのを防止しよう。
自分を変えたい時は、実はあまり気にしないのが、最も生産的な生き方なのである。