仕事を辞めたい。辞めよう。
そう思いながら、結局辞められない。
これでは毎日が不満とストレスだらけ。
明るい未来も見えず、人生をも悲観しかねない。
しかし、スパッと仕事を辞めてしまう人もいる。
この違いは、度胸とか積極性とか、性格によるものではない。
転職というものに対する認識の違いが、決断力の差を生むのである。
それでは、仕事を辞められない人のための、自分を変える秘訣を解説しよう。
辞められない毎日は人生の無駄遣い
私たちはいずれ寿命を迎える。いつまでも生きられるわけではない。
その生きている時間のうちのほとんどを、実は会社で仕事をすることで消費する。
つまり、残念なことに、生きている時間のほとんどは働いているのである。
仕事に不満を抱えたまま働き続けるということは、人生を無駄遣いしているのと同じ。
限りある時間を無駄にしないためには、仕事を納得感、満足感のあるものにしておくことが望ましい。
特に、給料アップが望めない不況時代においては。
そんなことはみんな知っているのだが、結局辞めることができない。
その理由は、仕事を辞めることに対する不安、恐怖があるからだ。
ご存知のように転職には選考が行われるし、転職後の新しい職場も天国ではない。
つまり、転職活動で勝ち残る自信がない、アピールできる実績がない、新天地でも同じ悩みを抱えるかもしれない、といった不安が辞めたい気持ちを萎えさせるのである。
そう考えると、仕事を辞める決断ができる人は、輝かしい実績を積んだ天才か、未来に予想されるリスクを考えないバカかどちらかということになる。
しかし、それは誤解だ。
仕事を辞めることができる人は、視野が広いことで共通している。
つまり、仕事を辞めることが自分の人生においてどれだけ重要なのかに気づいたから、辞めることを決断できた。
仕事を辞められないのは、この視点が決定的に欠けているのである。
辞められる人と止められない人の違い
仕事が辛い、楽しくないなら、辞めてしまうのが一番だ。
不満があるもの、望む結果が得られないものには身が入らないし、そこにかけた時間とエネルギーは無駄になる。
もちろん、私たちは努力を無駄にしたくはない。
だから、仕事を辞められない人は、辞められない自分を正当化しようとして、無理矢理に現職に対する納得できる点、満足できる点を探す。
それこそ無駄な努力である。
本当は、仕事を辞めるべきかどうかの基準は一つしかない。
仕事が自分の人生にマッチしているかどうか。
この一点に絞られる。
仕事を辞めることができる人は、ここを意識的に気づいたり、無意識的に直感して辞めるべきかどうかを決断する。
だが、仕事をいつまでも辞められない人は、こうした基準を持たないためズルズルと決断を先送りする。
基準がないのだから決断できないのは当たり前なのだ。
辞められない人も、辞めるべきかどうかを本気で悩んでいる。
しかし、その努力は残念ながら間違っている。
世の中は正しい努力と間違った努力が存在する。
間違った努力はどんなに頑張ってもいい結果を生み出さない。
仕事を辞めるべきかどうかを正しく判断するためには、どうしても人生観が要る。
- 今仕事を辞めなければ、自分の人生が破壊されてしまう。
- 今仕事を辞めなければ、大きな不幸が待ち受けている。
そんな確信が大きな力となって背中を押すのである。
もちろん、その確信は自分で考え、自分で感じた者でなければならない。
占い師やら霊能力者が決める事ではない。
誰かに何かを決めてもらおうとする人、とりわけ転職という大きな決断を他人に任せてしまう人は、最初から自分の人生を生きていない。
そんな人は、どんな生き方をしていても常に満たされることはない。
辞められない自分を変える秘訣
辞めたい仕事を辞めずに続けることほどむなしいことはない。
そこにかけた努力に、意味がないからだ。
そんな自分、そんな生き方を変えるためには、自分の人生観から見直そう。
仕事、転職を人生レベルから見つめなおした時、初めて本当に辞めるべきかどうかがわかる。
それが今までできなかったのは、きっと自分と向き合うことが怖いからだ。
たしかに、それは人によっては何よりも恐ろしいことかもしれない。
しかし、自分と向き合わずに問題を放置することの方がもっと恐ろしいことだ。
なぜなら、現在進行形で人生を無駄遣いしているからである。
改めて、自分の人生観を問い直してみよう。
はたして以下の質問に答えられるだろうか。
- どのように生きたいのか。人生の目標は。
- 人生において仕事はどのような役割を果たすべきか。
- 働くことで得られるお金以外の報酬とは何か。
- それは転職以外の方法で手に入らないのか。
仕事を辞める人、とりわけ転職を成功させる人は、これらの質問に明確に答えられる。
人生観、人生の目標とは言っても立派なものを目指す必要はない。
大事なのはそれがあることである。
だから、世界の貧困をなくすために頑張りたいと国連やそれに準ずる組織で働きたいという考えもOKだし、
ひたすら絵を描いていたいから仕事なんて生きるために必要なお金さえ稼げれば何でもいい、という考え方もOK。
どちらも立派な生き方だし、立派な仕事の選び方だ。
転職活動での面接で必ず聞かれる転職理由と志望動機は、これを聞かれているのである。
前職での不満を聞かれているわけでも、会社への期待を聞かれているわけでもない。
そこを勘違いしている人が多い。
問題なのは、多くの人が理想の生き方、理想の働き方のモデルを持っていないことにある。
これでは地図もコンパスも持たずに出かけているようなもので、最初から遭難しているようなものだ。
最も不幸なのは中途半端に優秀で、そこそこ稼げてしまっている人だ。
そこそこ稼げていると、そこそこ満足してしまうため、自分の生き方を問う機会を失う。
そしてついに定年まで勤めあげてしまう。
団塊の世代はまさにそう。おかげで退職後に強烈な虚しさに襲われる。
どんな時点でも、自分の人生を振り返った時、それが満足、納得できるものであることが望ましい。
そんな生き方を実現するためにも、人生観を明確にしておく必要がある。
転職することが重要なのではない。
どのように生きるのか。そこでどのように働きたいのか。
転職するべきかどうかは、これが明確になった時自然に決断できるのである。
決して度胸や自信の問題ではないのだ。
まとめ
私たちは学校で学び、いずれ社会に出る。
しかし、そこで人生観を明確にすることの大切さを学ぶ機会はなかった。
だが、人生観は重要だ。
誰もが知っているような歴史上の偉業は、人生観に基づいた熱意がモチベーションになっている。
まさに、不可能を可能にする力の根源こそ、人生観なのである。
そして、人生観はそれがどんなものであれ、正解。
誰かの承認も、誰かに褒められる必要もない。
どのように生きたいのか、何を目指すのか。
それを持っておくことが大事なのだ。
人生観のないまま生きるのは、人生そのものが遭難状態だ。
仕事がつまらない、人生が面白くない、楽に稼げればそれでいい。
そんな考えでいる人は、転職してもしなくても、不平不満を抱え続けるだろう。
逆に、生きる目標、働く意義を知ることができれば、その日から人生は驚くほど充実したものになる。
いつだって重要なのは、自分の内面と向き合うことなのである。