話が盛り上がるときは、たいてい相手に気に入られているときである。
会話の内容がお互いに相手の期待に応えられている時、場が盛り上がる。
これは、転職活動における面接でもそれは同じこと。
面接官との質疑が盛り上がるときは、印象がいい証拠。
つまり、採用の可能性が高い。
しかし、盛り上げ方にはコツがある。
気に入られようとしたり、ジョークを交えるものとは違うテクニックがあるのだ。
それでは、転職活動における面接を盛り上げるコツを紹介しよう。
採用・不採用通知の前にわかる結果
転職活動では、必ず面接が行われる。
企業側としては、直接会って、お互いの相性を見たいからである。
このとき、お互いのニーズが満たせる関係であれば、質疑応答は盛り上がる。
そして、面接が盛り上がるときは、合格する傾向がある。
中には、その場で合格が伝えられることもある。
一方、面接が盛り上がらないこともある。
それはやはり、相手のニーズに応えられていないからだ。
転職応募者は、やっとの思いでこぎつけた面接という大チャンスをつかみたい。
だから、必死に面接官に気に入られようとする。
だが、勝負はすでに決している。
面接の場で気に入られようと頑張っても、面接官のニーズはそこにない。
面接で大切なのは、笑顔でもなければ身だしなみでもない。
うまい切り返しでもないし、うまいごまかしかたでもない。
本当に大切なのは、心の奥底から湧きあがる熱意。
そうした熱いものを持つ人にしか出せない表情、声、答え方というものがある。
この説得力が面接官の心を打ち、惹きつけるのである。
面接官をうならせるもの
面接で大切なのは、アピールできる実績や上手な話し方ではない。
意気込みや気迫が伴っているかどうか、に採用と不採用の境界線がある。
しかし、意気込みや気迫は、単純に手に入るものではない。
仕事を生活資金の調達の手段とか、転職を職場を変える手段くらいにしか考えていない人には、こうしたオーラを作り出すことはできない。
転職を成功させる人は、転職や仕事に対する理解が深い。
- 今の自分になぜ転職が必要なのか。
- なぜ、その仕事でなければならないのか。
についての深く理解できている。
こうした転職の必要性の理解、仕事観、あるいは人生観は、転職活動のモチベーションの基礎。
これらがしっかりしている人は、仕事を自己実現の手段として考え、転職を人生をかけた戦いのように覚悟して取り掛かる。
つまり、転職を人生に直結した問題だと知っているからこそ生まれる覚悟が、職務経歴書や面接の場での質疑応答、表情や声、言葉の選び方に表れる。
その気迫、意気込み、熱意が面接官の心を揺さぶるのである。
一方、転職や仕事に関する理解度が浅い人、つまり仕方なしに嫌な仕事をしている人、職場や仕事に不満があるから変えたいと考えるレベルの人には、こうした勢いがない。
全体的に甘さがにじみ出る。
表情、声、言葉の選び方に、説得力が生まれない。
面接官は、上記に示したような熱意を持ったものを歓迎する。
そのニーズを満たせない応募者に対しては興味がわかない。
だから、面接はしらけたものになってしまうのである。
面接では高い実績があればもちろんアピールの材料としては大きいものになる。
しかし、もっと大事なのはそこではない。
私には転職がどうしても必要だ。
私の自己実現のために協力してくれ。
そんな心の奥底から叫びたくなるような熱い思いがあれば、実績やスキルが足りなくても十分に逆転可能。
説得力は、形勢を簡単に逆転できてしまう力を秘めている。
面接を盛り上げる方法
面接にこぎつけられるのは数名~十数名程度。
その中で無難を目指していてはダメ。一人とびぬけた存在でなければならない。
つまり、面接官に「なんかヤベー奴が来た!」と思わせなければならない。
そこで重要なのは、転職の必要性の深い理解である。
それでは、転職の必要性を深く理解するために、自分の人生観、仕事観を明確にしよう。
以下の質問に答えられるだろうか。
- どのように生きたいのか。人生の目標は。
- 人生において仕事が果たす役割は。
- 働くことで得られる、お金以外のものとは何か。
- それは転職でしか得られないものなのか。
つまり、仕事とは人生の目標に沿ったものであるべきで、転職とは生きる方向に仕事を合わせる作業であるべきである。
この点を理解できている人は、自然に気迫が伴い、面接官を圧倒する。表情や言葉にパワーが込められているからだ。
仕事や転職を自分の人生と直結した問題だと認識できているかどうかが問われている。
まとめ
面接にはテクニックも何もない。
心の奥底から湧きあがる熱意があれば、自然に面接官をうならせる応答ができる。
だから、面接は答え方の問題ではないし、表情や身だしなみの問題でもない。
実績やスキルでライバルに引けを取っても、この熱意があれば十分に逆転できる。
面接で盛り上がらない、あるいは不合格が続くのは、そもそも仕事をしたくないからではないだろうか。
それは言葉には出さなくても、表情や声や言葉の選び方に表れる。
面接は目に見える、耳に聞こえる表面上の問題ではなく、見えない聞こえない部分にこそ本質がある。
いつでもどこでも、問題の本質をつかんだものが課題を解決できる。
転職の面接の場合、そもそも転職を人生に直結した問題だと認識できているかどうか、という点に本質があるのである。